法名
内願法名について
先日、お参りに伺った先で、内願法名についてのお問い合わせがありました。
前回の寺報ほうりん第4号にて、法名についての説明をさせていただいておりました通り、内願法名とは、ご本山(西本願寺)にて帰敬式(おかみそり)を授式して法名をいただくのですが、その際に、事前に希望の法名を申請すれば、そのお名前で法名を頂けるというものです。
ほうりんの記事を見て、ぜひ内願法名をいただきたいと思っていただいたそうで、大変ありがたいことです。
お話を伺うと、ご自身が生まれたのが戦時中の混乱の中で、父親も遠く戦地に赴いている中でのご誕生だったそうです。そのような中でも、我が子に名前を授けたいと、戦地よりお手紙でご希望のお名前をお伝えしたそうです。しかし、混乱の中で、その希望通りのお名前とはいかず、今に至る。。。
そこで、父親の願いのこもったお名前を法名に使いたいということでした。
本当に不思議なご縁だと思います。もし、寺報に法名について書かなかったら、先立つお命を縁にこのタイミングでお参りに伺うことがなかったら、ご家族を含め、だれも聞くことのできないままのお話だったかもしれません。でも今、その願いを、思いを、ご家族とともに聞くことができました。本当にありがたいことです。
法名は亡くなった後のお名前じゃない
法名とは、本来、亡くなった後に付ける名前ではなく、仏弟子(お釈迦さまのお弟子)として、仏法を大切にし、聞法に励んでいくもののお名前ですので、今を生きる中で大切にさせていただきたいお名前です。どうか、お元気なうちに、ご本山に参拝させていただいて、帰敬式を受けていただければと思います。
また、本願寺からいただくお名前は、それぞれに仏典の中からの言葉をただくので、仏様の願いそのものと言える尊いお名前ですが、今回ご紹介させていただいた方のように自らのルーツを大切に振り返りながら、お訪ねしながら、お名前を考えることも良いものであるなと、改めて考えさせられました。
自らの法名を考えるワークショップなんかも面白いかも?
法名について詳しくお知りになりたい場合は、内藤昭文先生の「仏弟子となる~浄土真宗の法名・帰敬式~」という著書がおすすめですので、お尋ねください。